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トランジスタを用いたマルチバイブレータ回路

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作成日作成日
2016/12/05
最終更新最終更新
2023/11/17
記事区分記事区分
一般公開

目次

    フロントエンドエンジニア。React Hookが好きです!

    トランジスタを用いた基本回路として有名なものにマルチバイブレータ回路があります。トランジスタと組み合わせる素子によって、無安定、単安定、双安定の三種類があります。

    • 無安定バイブレータ回路: トランジスタ二つ、コンデンサ二つ
    • 単安定バイブレータ回路: トランジスタ二つ、コンデンサ、抵抗
    • 双安定バイブレータ回路: トランジスタ二つ、抵抗二つ

    いずれのバイブレータ回路もパルス信号を生成します。無安定バイブレータ回路は入力信号なしでパルス信号を生成し続けます。単安定バイブレータ回路は入力信号が一つあるとパルス信号を一つだけ生成して安定状態に戻ります。双安定バイブレータ回路は入力信号があると出力が HIGH/LOW の間を瞬間的に切りかわります。そのため、二つ目の入力信号があるまでの間 HIGH となるパルス信号を生成できます。双安定バイブレータ回路はフリップフロップ回路ともよばれます。状態を記憶することができるため、メモリなどの記憶装置の基本回路として利用されます。

    それぞれの回路について、出力電圧の波形をオシロスコープで観測します。

    無安定マルチバイブレータ回路

    一定周期でパルスを自動生成し続けます。例えば、マイコン等を用いずに LED を点滅させることができます。

    回路図

    より大きな容量のコンデンサを使用すると放電に時間がかかるためパルスの周期は大きくなります。同様に、33kΩ 抵抗の値を大きくするとコンデンサの放電に時間がかかるためパルスの周期は大きくなります。

    初期状態から片方のトランジスタに電流が流れるまで

    単三乾電池 4 本を直列に接続して 6V 電源を用意します。初期状態ではコンデンサは両方とも放電し切った状態です。電源を入れると、理想的には 33kΩ 抵抗に電荷が流れていないため、トランジスタそれぞれのベース電圧は 0.6V を越えます。通常 0.6V のベース電圧を越えていればトランジスタは電流を流しますが、同時ということはなく、製造誤差によりどちらかのトランジスタが先に電流を流します。先に電流を流したトランジスタについて、エミッタはグランド 0V に接地されているため、ベース電圧とコレクタ電圧は理想的には 0V となります。コレクタ側には 47μF コンデンサが接続されています。コンデンサ両端の電圧は瞬間的には変化しないため、放電された状態のままだとしてもコンデンサの負極はコレクタ電圧と等しく 0V となります。充電されていればマイナスの電圧となります。そのため、未だに電流を流せていないトランジスタのベース電圧は 0V 以下となり、0.6V を確保できない状態となりますので電流が流れません。

    片方のトランジスタに電流が流れ始めてから起こること

    LED が点灯

    電流が流れているトランジスタのコレクタ電圧は理想的には 0V です。コレクタ電流が 220Ω 抵抗および LED に流れるため LED が点灯します。

    電流が流れていないトランジスタ側のコンデンサが充電

    電流が流れているトランジスタのベース電圧は理想的には 0V です。もう片方のトランジスタのコレクタ電圧は、LED における電圧降下が約 1.9V だとすると、電流は理想的には流れておらず 220Ω 抵抗における電圧降下はないため、電源電圧 6V - 1.9 = 4.1V となります。そのため、電流が流れていないトランジスタ側の 47μF コンデンサには充電が行われます。

    電流が流れていないトランジスタ側のコンデンサが放電

    現在電流が流れているトランジスタに電流が流れ始める前のコンデンサに電荷が充電されていたとすると、トランジスタに電流が流れ始めると同時にコンデンサからもコレクタ電流が供給されます。コレクタ電圧 0V - コンデンサの両端にかかる電圧 が電流の流れていないトランジスタのベース電圧となります。33kΩ 抵抗を介したコンデンサの放電が完了するまではその値はマイナス値ですが、放電が完了すると 0V となり、コンデンサに逆電圧がかかり始めると 0.6V を越えようとします。実際には越えることはなく、電流の流れていなかったトランジスタが電流を流し始めます。電解コンデンサは 0.6V 程度の逆電圧には耐えられるため、壊れることはありません。

    もう片方のトランジスタに電流が流れ始めてから起こること

    遅れて電流が流れ始めたトランジスタのコレクタ電圧は理想的には 0V です。電解コンデンサ 47μF には両端の電位差が 4.1V 程度になるように電荷が充電されていたため、コンデンサの負極は -4.1V となります。そのため、先程まで電流が流れていたトランジスタにはベース電圧は 0.6V を確保できなくなるため電流が流れなくなります。

    コレクタ電圧の波形

    LED における 1.9V の電圧降下があるため、4.1V のパルス信号が生成されています。

    ベース電圧の波形

    トランジスタに電流が流れ始めると瞬時に -4.1V に降下しています。徐々にコンデンサの放電が進みますが、放電が完了した後の逆電圧は 0.6V を越えずに一定のままです。

    単安定マルチバイブレータ回路

    タクトスイッチを押すとパルス信号が一つだけ生成されます。

    回路図

    より大きな容量のコンデンサを使用すると放電に時間がかかるためパルスの周期は大きくなります。同様に、コンデンサの負極に接続された 33kΩ 抵抗の値を大きくするとコンデンサの放電に時間がかかるためパルスの周期は大きくなります。動作原理は無安定バイブレータ回路と同様です。

    電圧の波形

    抵抗が接続されたトランジスタのコレクタ電圧

    パルス信号が一つだけ生成されています。LED における 1.9V の電圧降下があるため 4.1V です。

    抵抗が接続されたトランジスタのベース電圧

    タクトスイッチを押したことによって、コンデンサが接続されたトランジスタに電流が流れ始めると瞬時に -4.1V に降下しています。徐々にコンデンサの放電が進みますが、放電が完了した後の逆電圧は 0.6V を越えずに一定のままです。

    コンデンサが接続されたトランジスタのコレクタ電圧

    LED における 1.9V の電圧降下があるため、電流が流れていない場合の電圧値は 4.1V です。電流が流れるとほぼ 0V まで降下しています。

    コンデンサが接続されたトランジスタのベース電圧

    タクトスイッチを押したことによって、コンデンサが接続されたトランジスタのベース電圧が上昇します。ただし 0.6V を越えることはありません。タクトスイッチを OFF にした後も、コンデンサの放電が完了するまでは 0.6V を維持しています。

    双安定マルチバイブレータ回路

    LED が点灯している方のタクトスイッチを押すと、点灯していた LED は消灯し、もう片方の LED が点灯します。

    回路図

    製造誤差によりどちらかのトランジスタが先に電流を流します。考え方は無安定バイブレータ回路および単安定バイブレータ回路と同様です。

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