目次
モデル間に従属関係がある場合、モデルにアソシエーションを記述して関係性を明示しておくことで、テーブルをjoinするSQLをRailsのActiveRecordが自動的に裏で実行してくれるようになり、直感的な情報アクセスが可能になります。
belongs_to
usersテーブル
commentsテーブル
- 「user_id」を外部キーとして持っている
- "A comment belongs to a user."
app/models/comment_model.rb
class CommentModel < ActiveRecord::Base
belongs_to :user # ←単数形
end
has_many
belongs_to とは逆の概念です。主従関係は同じであり、テーブル構成も同じです。以下のようなメソッドが使用できるようになります。
- @user.comments
- @user.comments.size
- @user.comments.empty?
- @user.comments.find(1) # id=1
- @user.comments.exist?(1) # id=1
- @user.comments.destroy(@comment)
- @user.comments.clear # すべて削除
- @user.comments<<@comment # ユーザのコメントを追加
- @user.comments = @new_comments # ユーザのコメントを一括登録
- @comment = @user.comments.build(title: 'Abc') # 保存しない。「@comment.save」と続ける
- @user.comments.create(title: 'Abc') # 保存する
usersテーブル
- "A user has many comments."
app/models/user_model.rb
class UserModel < ActiveRecord::Base
has_many :comments # ←複数形
end
commentsテーブル
- 「user_id」を外部キーとして持っている
has_one
belongs_to の特殊な場合における逆の概念です。主従関係は同じであり、テーブル構成も同じです。特殊な場合とは、異なる二つのものが、同じものにbelongしないことが保証されている場合のことを差します。以下のようなメソッドが使用できるようになります。
- @user.comment = @comment # あるユーザのcommentとして@commentを登録 (commentのuser_idにuserのidを設定)
- @comment = @user.build_comment(title: 'Abc') # commentを作成し、そのuser_idに@userのidを設定) (保存しない @comment.saveと続く)
- @user.create_comment(title: 'Abc') # commentを作成し、そのuser_idに@userのidを設定) (保存する)
usersテーブル
- "A user has one comment."
app/models/user_model.rb
class UserModel < ActiveRecord::Base
has_one :comment # ←単数形
end
commentsテーブル
- 「user_id」を外部キーとして持っている
「has_one」と「belongs_to」の関係において、どちらのテーブルに外部キーを持たせるかは、それらの主従関係を考えて決定します。「has_one」する側は他方を必要としません。「belongs_to」する側は自分が存在のために他方を必要とします。
has_and_belongs_to_many
多対多の場合です。主従関係はありません。中間テーブルが必要となります。中間テーブルの名称は、参照先テーブルを辞書順にアンダーバー '_' でつなげたものとします。中間テーブルに独自の情報列は作成せず、したがって対応するモデルも不要です。HBTMとも称します。以下のようなメソッドが使用できるようになります。
- @user.comments
- @user.comments.size
- @user.comments.empty?
- @user.comments.find(1) # id=1
- @user.comments.exist?(1) # id=1
- @user.comments.destroy(@comment)
- @user.comments.clear # すべて削除
- @user.comments<<@comment # ユーザのコメントを追加
- @user.comments = @new_comments # ユーザのコメントを一括登録
- @comment = @user.comments.build(title: 'Abc') # 保存しない。「@comment.save」と続ける
- @user.comments.create(title: 'Abc') # 保存する
authorsテーブル
app/models/author_model.rb
class AuthorModel < ActiveRecord::Base
has_and_belongs_to_many :books
end
booksテーブル
app/models/book_model.rb
class BookModel < ActiveRecord::Base
has_and_belongs_to_many :authors
end
authors_booksテーブル
- 「author_id」および「book_id」を列として持ちます
has_many through
「has_and_belongs_to_many」において、中間テーブル自体は情報を有さず、したがってモデルも存在しませんでした。そうではなく、情報を有する存在意義のあるモデルが中間となり、二つのモデルに「has_and_belongs_to_many」の関係を与える場合は「has_many through」を使用します。
usersテーブル
app/models/user_model.rb
class UserModel < ActiveRecord::Base
has_many :reviews
has_many :books, through: :reviews
end
reviewsテーブル
app/models/review_model.rb
class ReviewModel < ActiveRecord::Base
belongs_to :user
belongs_to :book
end
booksテーブル
app/models/book_model.rb
class BookModel < ActiveRecord::Base
has_many :reviews
has_many :users, through: :reviews
end
カウンターキャッシュ
has_manyしている個数を列として管理する機能です。belongs_toしている側のテーブルにレコードが追加または削除される度に、belongs_toされている側のhas_manyの個数を管理する列を自動で更新する機能です。「.size」メソッドを実行する際に、SQLを実行する必要がなくなり高速化できます。「.length」および「.count」ではなく「.size」です。
usersテーブル
- "A user has many comments."
app/models/user_model.rb
class UserModel < ActiveRecord::Base
has_many :comments # ←複数形
end
- 「comments_count」というInteger型の列を用意しておきます
db/migrate/20140617113217_create_user_models.rb
t.integer :reviews_count, default: 0
commentsテーブル
- 「user_id」を外部キーとして持っている
app/models/comment_model.rb
class CommentModel < ActiveRecord::Base
belongs_to :user, counter_cache: true
end
DBへのデータアクセスを減らす (includes)
例えば、@user.commentsをeachするとDBへのデータアクセスが複数回数発生して非効率です。そこで
@users = User.includes(:comments).all
などとすると、@user.commentsのeachではすでにメモリにある情報にアクセスするだけになり高速化できます。公式ドキュメントはこちらです。
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